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Old counter table / W&H turquoise blue

2016/07/14

 

つい先日のこと。

 

ある男性のお客様が一人でご来店された。

初めてお見かけする方だった。

ちょうどその時は混み合っており、テーブル席一つのみ空いていた。

そのお客様はテーブル席に座り、アイスコーヒーをご注文された。

しばらくして、他のお客様はお帰りになり、店内はそのお客様だけになった。

アイスコーヒーはもう少なくなっていた。

すると、「カウンターに移っても良いですか?」と声を掛けてこられた。

カウンターからテーブルに移られることはよくあるが、逆はそんなにはない。

少し不思議に思いながらも「どうぞ。」と答えた。

 

ふと、カウンターの端の席で、お客様が小刻みに震えているように感じた

そして、おもむろにお客様が口を開かれた。

20年ほど前、昔ここがおでん屋さんだったころ毎日ここに通っていたこと。

とても愛想の良い皆から人気のおばあさんが一人で切り盛りされてたこと。

年末の大掃除の時、この引き戸を拭くのを手伝ったこと。

ネットで見覚えのあるカウンターの写真を見つけて、調べて来てくれたこと。

お客様はカウンターを撫でながら、またこのカウンターに座れたことをとても感激して下さった。

 

W&Hを始める時、決して質が良いわけではなく、決して食べ物が美味しそうに見えるわけではないこの色のカウンターの天板を貼り替えるかとても悩んだ。

でも、印象的なこのカウンターはそのまま残そうと決めたのだった。

 

よくお客様からお店を始めて何年かと聞かれる。

一年に満たないと答えると、とても驚かれる。

ここには、僕らがW&Hを始めるずっとずっと前からの記憶が残っている。

あの日のお客様のように、20年後も心に残る店になりたい。

そして、おばあさんからのバトンは僕たちがしっかり引き継いでいくことを、遠い空から見守っていてほしいな。

 

 

今日で10ヶ月と26日。

 

 

 

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